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歴史は過去であり、今である

  • 史学科

Y.S

聖心女子大学への入学を志望したのは、1年次に学科に分かれず幅広い学びにふれることができる聖心女子大学の特色に魅力を感じ、何を学びたいかを明確にして、学科を選択したいと思ったからです。
その特色を最大限に生かしたいと考え、1年次には英語文化コミュニケーション学科、心理学科、人間関係学科、日本語日本文学科、史学科とさまざまな学科の授業を受けました。

留学の経験が日本を再発見するきっかけになった

1年次に、自分が世界や社会にどのように貢献することが出来るのかを知りたいと思い、「グローバル共生优德体育,优德w88体育app」の授業を履修しました。
「世界をよりよくする志」を意味する「グローバル?シチズンシップ」を学ぶなかで、まずは自分や仲間の思いや願いと向き合い、対話を通して理解を深めることが大切だと理解することができました。授業はグル ープワーク形式で、インターネットに頼らずディスカッションをしながらアイデアを出し合ったり、仲間の話から自分のなかに新たな発見が生まれたりと、人との関係や自分自身を見直すきっかけにもなりました。

どの学科の授業も面白く興味深い内容だったので、学科選びは本当に悩みましたが、最終的に「卒業論文で何を書きたいか」を基準に選びました。中学生のときから茶道を習っており、高校生のとき、トリニダード?トバゴから来日された方とお点前をご一緒する機会がありました。その時に伺った「茶道はミサのようだ」という言葉がとても印象深く心に残っていたため、「茶の湯とキリスト教」という一見繋がりのないように見える2つの接点について歴史的視点から深めたいと思い、史学科の日本史コースに進みました。

1年次にはオンライン留学も経験しました。SDGsや社会問題に焦点をあてた問いに、英語で自分なりの意見を話すことに苦労しましたが、一カ月間、自分を追いこみ粘り強く取り組んだことで、英語力の向上だけでなく、自分の意見を持ちアイデアを出す力がついたように思います。
2年次に留学したカナダのマギル大学では、日本に興味を持って、いろいろ質問してくださる先生や学生がいらっしゃったのですが、知識が足らず答えられないことも多くとても残念な思いをしました。史学科日本史コースだからこそ、日本について歴史の視点から学びを深め、日本の新たな魅力を伝えることができるくらい詳しくなりたいと思いました。この経験が歴史を学ぶ意欲に繋がっているように思います。

歴史学は、多様で豊かな学問

日本史の先生方の授業は、教科書では語られない歴史であったり、また教科書の内容が「絶対」ではないことを教えてくださったりと、日本史の基礎知識があまりなくても理解できる授業であり、歴史を多角的にとらえる授業が多く、とても楽しく履修しています。
例えば現在の歴史教科書に書かれている平安時代の中期から後期にかけての「国風文化」は日本風の文化という意味で、その時代を解読していくと確かに「かな文字」の使用が広まるなど「日本らしさ」を感じられます。ただ、この時代の生活は遣唐使の派遣が廃止されているのにもかかわらず、唐物にあふれていて、公的な交易はなくても、商人どうしの交易は盛んだったということがわかります。こうしたことからも「国風文化」とは一概に言えないのではないか、など、史料に向き合い、考えることで教科書からはわからない歴史の見方を学びました。

日本史史料論の授業では、軍記や記録史料を実際に読んでいきます。軍記では事実が誇張されていたり、負けた側と勝った側では書き方が変わってくること、時代が変わっていくにつれ、史料には1次史料と2次史料が生まれること、优德体育,优德w88体育appする場合は1次史料を使うことが望ましいということを学びました。ある時代には英雄でも別の時代には逆に受け取られるなど、時代によって歴史像が変わることがあります。客観的な目をもって史実を优德体育,优德w88体育appする重要性を実感しました。

学問の世界でも「出会い」が大きな意味を持つ

私が自分の优德体育,优德w88体育appテーマとして考えている「茶の湯とキリスト教」のつながりも教科書には書かれていません。教科書からだけでは浮かび上がってこない歴史を自分で発掘して深めていくことで、歴史は、過去のものとして切り離されたものではなく、自分とつながっていることを実感しています。

また、聖心では、学科の枠にとらわれず、専攻に進んだあとからも、取りたい授業を履修することができるので、世界史コースのゼミでジェンダー史も学んでいます。ドイツのジェンダー史がメインですが、日本との比較がテキストのなかに触れられており、時代のなかでどう変遷しているかということがとても興味深いです。こうした学びたい意欲に即して授業が取れるので、とても楽しく、自分で深めていくことの喜びを感じています。

歴史との向き合い方は、固定概念や思い込みに縛られず、柔軟に理解していくことが大切だと感じています。歴史には「正しい歴史」というものはなく、当たり前と思われているものを当たり前と思わない視点や、物事を多角的に捉えることは、歴史を学ぶなかで得た価値観であり、自分の生活のなかに生かしていきたいと思っています。

私が全く未知の世界であった日本史を优德体育,优德w88体育appすることになったのは、「茶道はミサのようだ」という一言でした。人との出会いはもちろんですが、学問でも「出会い」が大きな意味を持つことを実感しています。そうした「出会い」が自分のなかに新しい世界を広げてくれたことに感謝しています。

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Y.S

※所属?肩書きを含む記事内容は、インタビュー時(2024年)のものです。

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