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私たちに音楽があるわけ―音楽を学ぶのはなんのため?

  • 教育学科

今川 恭子 教授

音楽学、音楽教育学、赤ちゃん学

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乳幼児期における音楽的発達(赤ちゃんの遊びから始まるmusic life)

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私たちはなぜ、なんのために音楽をするのでしょう。保育現場のほとんどで子どもたちは歌います。小中学校で音楽は必修、授業以外の行事にも音楽は登場します。生活のさまざまな場面で音楽を聴いたり演奏したり、BGMや鼻歌まで含めれば音楽のない生活をしている人はいないでしょう。「人はいつから歌うの? いつから音楽するの?」という問いに突き当たって赤ちゃんを見てみると、音楽を聴いてリズミカルに体を揺らしたり、養育者の歌声に合わせて声を出したりする姿が見られます。どうやら赤ちゃんの時から、「音楽の前の音楽」が始まっているようです。
「私たちに音楽があるわけ」。この問いは実はダーウィン以来、科学的にも謎に満ちた問題とされてきました。近年になって生物学、脳科学、発達心理学、文化人類学、乳児科学など多方向から学際的に、「音楽は人間社会の絆形成と維持のために欠かせない役割をもって発展してきた」という説が提示され有力視されています。音楽学と音楽教育を専門とする立ち位置でこうした学際的な知見を総合しながら、赤ちゃんの日常生活から学校教育までさまざまな場面で「子どもと音?音楽」のかかわりを探求し、音楽教育のあり方を考えています。

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養育者と楽しそうにコミュニケーションする赤ちゃん、リズミカルに楽し気に積み木をカンカン打ち鳴らす子ども(大人に止められることもありますが)、風の音に耳を傾けて目を輝かす子ども。何気ない日常の中で見過ごしがちなこうした姿を分析してみると、子どもたちが身近な人や音と密に関わりながら絆を結び、想像力を育み、社会?文化の中で心豊かに育つ道筋が見えてきます。「子どもと音?音楽とのかかわり」の探求は、优德体育,优德w88体育app者としても一人の人間としてもワクワクする発見の連続です。

5歳児が描いた「音世界」
学生たちが手作りした赤ちゃんのための「音の出る玩具」
お気に入りの楽器で遊ぶ幼児たち
高校生や学生へのメッセージ
授業では、世界のさまざまな民俗楽器に触れて「音文化」を実感したり、子どものための「音の出る玩具」を作ったり、子どもたちとの音遊びを計画したり、PCを活用して音楽を作ったり、「人間と音楽」とのかかわりをめぐる幅広い事例を集めて体験しながら考えを深めていきます。
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