コード CD24-01
授業科目 日本語の文法Ⅱ
副題 (日本語の統語論と機能語の機能)
副専攻 C1
特記事項
担当者 吉田 一彦
単位 2
期?曜時 後期 金4
対象学年 2?3?4年

学習目標
 日本語における狭義の文法(形態論+統語論)を概観する。実際の言語現象を分析し、説明を与え、一般化する方法としての文法学的思考法の基礎を学ぶとともに、こうした方法を使って、あるがままの日本語を観察し特徴を知る能力を開発する。
授業概要
 文を基本単位とした日本語の形式的特徴を学ぶ。文構造に関する他の言語との比較対照や、語順の変更などの統語的操作、両義文(2つ以上の意味に読める文)の構造分析、類似の統語構造間の比較対照など、文の形をとらえるための実習やグループワークを行う。
テキスト
 益岡?田窪(1992)『基礎日本語文法-改訂版-』(くろしお出版)、および、教師の作成する配布資料。
参考文献?課題図書
 「聖心女子大学日本語日本文学科ハンドブックWEB版」に紹介されている文献。個々の項目については授業で紹介。
受講生への要望
 日常的に使っている日本語を相対化?客観化して見る必要がある。他言語との比較対照が有用なので、受講と同時に真剣に外国語(できれば2つ以上)学習と取り組むことを推奨する。
評価方法
 出席(15%)、予習を前提とした教室活動にもとづく課題(25%)、学期末レポート(60%)により評価する。
授業計画
1.ガイダンスと学習活動の紹介
2.文構造のとらえ方1:基本事項と用語法の確認
3.連用修飾1:文の補足語と格助詞
4.連用修飾2:動詞?形容詞?判定詞の連用形と副詞
5.連用修飾3:副詞節の諸問題
6.連体修飾1:動詞?形容詞の連体形と助数詞
7.連体修飾2:連体修飾節の諸問題
8.連体修飾3:形式名詞の統語論的特徴
9.文構造のとらえ方2:規則性と慣用性(「例外」の位置付け方)
10.日本語らしさの文法学1:接続詞と接続助詞
11.日本語らしさの文法学2:提題と取り立て
12.日本語らしさの文法学3:指示詞と直示体系
13.文構造のとらえ方3:他言語との比較
14.文法学的方法の限界と語用論
15.学習活動のまとめ
自由記述欄
 文法学というと、文法学者が取り決めた規則をひたすら暗記することを想像する人も多いようですが、実際にはまったく異なります。言語の実際のすがたをありのままにみて、その特徴をつかみ、法則性を発見し、合理的説明を試み、今後どう使われていくか予想する-この点で、たとえば生物学や人類学とよく似ています。毎回、基本的に、授業時間のはじめの3分の2に講義を聴き、残りの3分の1には実習課題を個人やグループでします。

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